どんな作品か
『お嬢さん』は、パク・チャヌク監督が2016年に発表した長編映画です。日本統治下の1930年代を舞台に、莫大な財産を受け継ぐ令嬢と、その屋敷に侍女として入る若い女性、そして財産を狙う詐欺師が絡み合う物語の枠組みを持っています。主な役はキム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン。脚本はチョン・ソギョンとパク・チャヌク監督の共同です。だまし合いの犯罪劇の骨組みに人物の感情が重なっていく作品で、ひとつのジャンルには収まりません。
パク・チャヌク監督が2016年に発表した長編映画。英国の小説を1930年代の朝鮮に移した脚色と、美術・二つの言語の見どころを整理しました。
『お嬢さん』は、パク・チャヌク監督が2016年に発表した長編映画です。日本統治下の1930年代を舞台に、莫大な財産を受け継ぐ令嬢と、その屋敷に侍女として入る若い女性、そして財産を狙う詐欺師が絡み合う物語の枠組みを持っています。主な役はキム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン。脚本はチョン・ソギョンとパク・チャヌク監督の共同です。だまし合いの犯罪劇の骨組みに人物の感情が重なっていく作品で、ひとつのジャンルには収まりません。
原作は英国の作家サラ・ウォーターズの小説『荊の城』です。原作の舞台は19世紀の英国ですが、映画はそれを日本統治下の朝鮮と日本式の屋敷に移しました。階級と身分の差という原作の軸に植民地という条件が加わり、誰がどの言葉を話し、誰が誰をまねるのかが新しい意味を帯びます。原作を読んだ人は何を残し何を変えたかを比べる楽しみがあり、読んでいないなら映画を先に見るほうが驚きを守れます。
この映画には韓国語と日本語の台詞が両方出てきます。人物ごとに、どんな場面でどちらの言葉を使うかが違い、その選び方が立場や欲望を映し出します。字幕で見る場合も、いま聞こえているのがどちらの言語かを意識すると、場面の緊張がよく見えてきます。版や配信サービスによって字幕での二つの言語の区別の仕方が違うことがあるので、字幕の設定を先に確かめておくとよいでしょう。言語が切り替わる瞬間に人物どうしの距離がどう変わるかを見守るのも、この映画の楽しみ方です。
映画はいくつかの部に分かれて進み、部が変わるたびに物語を見る位置が変わります。同じ空間と時間が別の人物の目で描き直されるため、前半で何気なく通り過ぎた場面が、後半でまったく違う重みを持って戻ってくることもあります。だからこの作品は、一度目と二度目でまるで体験が違います。初回は流れを追うことに集中し、見直すときに人物の表情や視線をひとつずつ確かめる見方をおすすめします。
屋敷は、この映画では人物と同じくらい大切な存在です。洋館と日本家屋がつながった建物が登場し、その混ざり合った空間そのものが、植民地時代の矛盾と人物の二重の態度を表しています。美術はリュ・ソンヒが担当しました。部屋ごとに色と質感が違い、書斎、庭、狭い廊下がそれぞれ別の空気をつくっています。
撮影はチョン・ジョンフン。『オールド・ボーイ』のころからパク・チャヌク監督と組んできた撮影監督で、人物どうしの距離と視線を緻密に設計した画面をつくりました。音楽は『オールド・ボーイ』や『別れる決心』にも参加したチョ・ヨンウクです。チョン・ソギョンは『親切なクムジャさん』『渇き』『別れる決心』でも監督と脚本を共に書いています。同じ顔ぶれが何本も作ってきたので、ほかのパク・チャヌク作品と並べて見ると、共通する感覚と変化の両方が見えてきます。
人物どうしが互いをどこまで知っているのか、そして観客はそれより多く知っているのか少なく知っているのかを意識すると、この映画の緊張がくっきりします。誰が誰をまね、誰の前で演じているのか、言葉と行動が食い違うのはいつなのかに注目してみてください。手や手袋、本のように繰り返し出てくる物も覚えておく価値があります。解説を先に読むと展開の核心を知ってしまう可能性が高いので、初回は何も調べずに見るのがよいでしょう。
成人向けの年齢制限がある作品で、性的な場面と暴力的な場面が直接的に描かれます。一緒に見る相手や状況を考え、配信や上映の年齢区分を先に確認してください。上映時間の異なる長尺版があることも知っておくとよいでしょう。台詞の言語と小さな音が大切な作品なので、静かな場所で字幕設定を確かめてから、途中で止めずに見ることをおすすめします。
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